
5月にドイツなどで多くの犠牲者を出した腸管出血性大腸菌(EHEC、O104:H4)の流行は、ようやく終息したようですが、ヨーロッパの農家も大きな被害を受けました。
EHECの感染発生当初はまず、牛糞堆肥を使って栽培したスペイン産のキュウリが感染源だと言われており、その後、トマト、レタスなどの野菜も巻き込まれ、ドイツに大量に輸出されているオランダ産のキュウリ、トマトなどの主要施設野菜も疑われ、これらの生産者は大打撃を受けました。
ロシアはEU産の野菜の輸入を完全にシャットアウトし、何故か花き類の輸入まで止められました。これらの野菜は、出荷しても最低限の単価しか付かず、最も出荷量の多い夏に大量の野菜が収穫後すぐに廃棄されました(写真①)。オランダ経済・農業・イノベーション省の食品衛生局(VWA)は、直ちにオランダ産の野菜を検査し、EHECが検出されなかったことを発表しています。しかし、それでも状況は回復せず、6月に入ってもスーパーマーケットでは安全なはずのオランダ産のキュウリが、平常時の半分以下の€ 0.20~0.30/本で売られていました。
6/8に欧州委員会は、被害を受けたキュウリ、トマト、レタス、ズッキーニなどの農家に向けて、2億1千万ユーロ(≒235億円)の補償金を出すと発表しました。スペインの環境田園海洋省は、EUに対して7千1百万ユーロ(≒79億円)の補償金をスペインの特にアルメリアのキュウリ農家に出すように要求しています。その直後、ドイツの有機栽培スプラウトが感染源であると疑われ、現在はエジプトから出荷されたFenugreek(フェヌグリーク、和名はコロハ)の種であった可能性が極めて高いと言われています。
オランダの野菜の潔白は証明されたものの売価が持ち直しておらず、相変わらず苦しい状況が続いています。あるトマト生産者は、今年の夏は曇天が続いており、出荷量は例年より多くないので、夏が過ぎれば事態は良くなるだろうとの話でした。また、オランダの生産者組織LTOは、業界全体で出荷量を縮小し、価格を上げようと計画をしているようです。我々消費者にできることは、オランダ産の野菜を今まで以上に消費し、一刻も早く事態が終息することを願っています。
写真①廃棄される大量のトマト
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